認知症を理解する

認知症はどのような過程をたどるのか

1,認知症の症状が出たからといって、すぐ介護生活になるのではない。母の場合は家事が大義になった。料理好きだったのに、作るメニューが少なくなっていく。幻視が出ていた。こちらもそれを受け入れ、否定することはしなかったが、今でも本人には見えているようだ。父は目立つことを嫌う人だったが、やたら自慢するようになった。今思えば15年ぐらい前から少しずつ兆候があったのだ。性格が悪くなったのではなく、本人の自信がなくなってきたのだ。

法を遵守する人だったが、今はものを勝手に持ってきてしまう。オシャレだったが、身なりに構わなくなり、セーターの上からYシャツを着るという、独特の組み合わせをしている。父は自分でトイレに行けるが、トランクスから、リハビリパンツを使用している。5年前は同じ相手に時間を考えず、電話を頻繁にしてしまい、かけたことを忘れるからなのだが、認知症の兆候が出ているとは相手は、わからないため、怒られるというのがあった。

2,なぜ寝たきりになるのか。認知症になると、寝たきりになるのではない。母の場合階段で転倒し、腰の骨折で1ヶ月入院。ボケが進んだ。自宅介護3年とデイサービスとショートステイで要介護3までになったが、夜中トイレに度々起きるのと、妄想が出て私と主介護者が疲弊し、しかも要介護1の父のこともあるので、精神的に過労死寸前まで行ったので、介護施設に入居した。私と主介護者の弟、お互い疲労しギクシャクし出したので母の自宅介護は限界だった。

母は入居当時2017年12月27日、最初の頃は自分で食事したり、野菜の下ごしらえ、ホームの中をほうきで掃除できたのだが、だんだん体が動かなくなった。母はかなり記憶が残っている。ただ言葉が思うように出てこないのだ。もどかそうにしている。それで、母が何かつぶやくときには、共感するようにしている。母は要介護5で、認知症専門ケアをしている特養にいる。歩けなくなっているが、トイレの時は介護士に支えられ、なんとか歩いて行っている。いや、だんだん歩けなくなっている。辛いが、受け入れている。ありがたいことに自宅介護の時と同様寝間着から服に着替えさせ、入居者のいるテーブルへ座わらせてくれる。

3,もともと仲が良い家族だったと思うが、最後まで自分たちだけで看るのは無理だった。看たかったのだが、デイやショートステイを利用しても主介護者と私は睡眠不足で体力、気力の限界がきた。一番辛いのは、父母だが、食事、排泄、入浴、ベッドメイクなど生活を助けるだけで一日が過ぎていく。介護者の自分の生活がなくなる。それが、数ヶ月ではなく、何年も続く。とても危ない状態だった。

自宅介護、介護施設であろうが、介護者は仕事、趣味でなんとか社会と接点を持ち続ける必要がある。生き甲斐や逃げ場は必要である。しかし介護者に疲労がたまると、認知症の親に優しくできなくなる。そうすると、認知症の症状が進むので、外部の助けを求める。父は母に家にいてほしいのだが、介護や手伝うことをしない。できない。実は、母のトイレを手伝ったが要領を得なかったらしく「あんたとは離婚する!」と引導を渡されていた。笑。

4,親がボケてきた状況を受け入れるのに時間はかかったけれど、今は楽しく会いに行っています。私は週1回会うというペースなので、父と毎日接している弟が何をしてほしいか聞くようにしています。

 

認知症に、どう対応したらいいのかに役立つ本

知っていると知らないとでは大違い。質問するのでも、自分である程度調べてから臨むと詳しく教えてもらえたりする。認知症の症状、進行は人それぞれなのと、相手のあることなので、介護される人に、いろいろ限界が来ているのでアドバイスが通用しない場合も多々あります。

冒頭の写真の本 認知症も人の心の中はどうなっているのか

介護は世話だけではなく、思いやり、配慮、心配、愛情が含まれる。まだ若い私たちも、会話しやすいよう記憶の残っていそうな時代のことを話題にするとか、自分が介護を受ける側になった場合のことを考えて介護されやすい人になるというのが興味をひかれました。介護しやすい人というのは、してほしいこと、してほしくないことを言えるということです。

自分に何か変化が起きていることを実は、本人が一番わかっている。30年ぐらい前の記憶がなくなっても、最後まで残るのはプライド、感情なのでそこを配慮して接するということが書いてあります。この本を読んでいなければ同じことを何度も聞かれて怒りをぶつけていたと思う。親のうつや、イライラは関係があったのかなと今は思える。

だれでも、尊敬されたいと思っている、ひとかどの人物として扱われたいと思っている。おむつという言葉は使わず、リハビリパンツ等他の言い方にするということを教わった。

いろんなケースの介護事例が載せられている。118ページの幸福だから笑っているというよりは、笑っているから困難を乗り越えることが出来、幸せになると述べられているのが救いです。

レビー小体型認知症は、薬物に対する過敏性が高いということを知った。

認知症になったら、もうだめだではなく生活は続いてゆくのです。人によりますが、一直線に悪くなっていくのでもないのです。持病などがない場合はなおさらかもしれません。医療にも限界があるということをわきまえさせてくれました。今、最善とされている方法でも5年10年15年先には全く違った方法が取られる可能性があるのです。

人生の最後まで笑顔は忘れない。親と会う時は会話し大いに笑う。ボケても大丈夫な社会にしていく、励みになります。自分に何ができるかな。

同じ高さの位置から、目を合わせて話しかけることの重要性がよくわかる。親の目の視野が狭いようで、そうしないと会話すら成り立たなくなるのを実体験済み。

母のレビー小体型認知症で薬の少量投与の病院だったのが救いだったことが、この本を読んで改めてわかった。病人扱いせず、穏やかに暮らしていけるようにするのが本人にとっても家族にとっても最善だとわかる。本人にはいろいろなことがわかっているし、豊かな感情を持っているのですから。その人らしく生きて、人生を楽しんでもらうのが本当にいいと思う。

介護の大原則・・・本人の嫌がることはしない。認知症のケアは資格や経験がすべてではないらしい。母性あふれる暖かい介護ができるかという資質が大きい世界。介護施設に親が入居しても、できるだけ頻繁に訪問したほうがいい。親が忘れるのを気にしても、「忘れていい、そのままでいい」と言ってあげるとホッとしたような顔をしてくれる。

親を見送った後の介護者の心のケアまで気遣って書かれている。

親が60代ぐらいの、まだまだ元気な時に、何かあった時の段取り、延命治療をするかを話し合っておくと理想的だと今は、思う。70代後半、80代だと「早く死ねというのか」と理性的に話し合いができないのがわかったので。うちは、私が30の時に27の妹が病気で旅立ちましたので、自然にそういう話の流れができ、その時に家族だけで葬儀をする、延命治療はしないということを決めました。葬儀社も近場に決めてあります。

何もなければ、無事ならば、こういう話は出なかったでしょう。人生、無駄なことは何一つないんだなと思います。

75歳までが健康寿命と言われていますが、歯と歯茎の健康を保つこと、よく歩くこと、実行しやすいなー。車生活と比べて、歩くと便通は格段にいい。

他の元気なお年寄りと自分の親を比べない。この言葉にどれだけ救われたか。うちは75過ぎてから症状が出たのですが「若いのにもう認知症?」と何度も言われました。90代でも、お元気な方が多いからでしょうね。それでも私や弟が元気な時に介護できて良かったとつくづく思います。

健康や長生きを常に考えているのは、どこか変。それよりも大切なことは、目の前の仕事に打ち込むこと、今に生きて今日が充実していること。無執着なら悩みは減る。この世の中は変化していて自分も変化している。現状維持は不可能なのだということが、わかる。

あなたには、あなたにしかできないことがある。同じ人はいないのだから、確かにそうかも。

56ページの言葉、誰かの幸せを願って亡くなった数多くの方々の人生があって初めて、現在の私たちの生活が成り立っています。58ページの言葉、この世に生きているだけで意味がある。平凡で価値のない人はいない。ー世間では稼いでなんぼという、人の評価があるけれど、いろんなことができなくなっても、生きている価値があるというこの言葉をかみしめています。

介護している理由、強い動機がほしかった時に買った本。当時はすぐに理解できなかったけれど、今ならよくわかる。能力、活力、体力があった若い時の自分とさえ比べるのは不毛だ。失ったものを考えて生きるのは、やめる。人の過去の栄光はその人の大事な歴史としてとっておいて、自慢と嫌がるのではなく、その人を理解する助けにする、と考えが変わった。

84ページの大切な人を失っても思い出があなたを支え続ける。ー妹を亡くして22年、簡単には立ち直れませんでした・・・妹を思い出せばいいのだ、心の中で会話すればいいのだと気づきました。妹が逝って両親も、と思うと辛いと感じた時期がありましたが、親は妹に会いにいく日が近づいているのだと楽観的な気持ちになれました。

2012年、母に幻視の症状が出てから8年が経とうとしています。介護施設に母が入居して父が寂しがりましたが、デイサービスに喜んで行くようになって驚きました。親の認知症を受け入れるということでは、2019年中盤まで動揺しましたが、今はかなり順応しています。今は親に会いに行くのが楽しみです。

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